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【特別企画】MODE OPTIQUE special voice vol.1
2020.12.29
今年創刊50号を発行した「MODE OPTIQUE」
メガネ専門誌として業界人、メガネファンのバイブルとなっている本誌の編集長 松崎薫子とトニーセイムジャパン細井の対談をお届け。
vol.1,2はモードオプティークvol.50掲載の内容をお届け、vol3以降はwebサイト限定記事になります。どうぞお楽しみください。
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モード・オプティーク編集長 松崎 薫子
2009年の28号よりモード・オプティーク編集長に就任。モノ・マガジン編集部、編集次長を兼任。モード・オプティーク就任当時は眼鏡の知識は全く無く、知識のあるスタッフとともにスタート。初心の気持ちを大事にしながら、面白がりながら誌面をつくっている。
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tonysamejapan: 細井 礼
トニーセイムジャパン代表取締役社長。
視力は良いものの、地元の眼鏡店で出会ったメガネに惚れて購入したことがきっかけでこの世界へ。高校卒業後はアジアを中心とした世界を旅する。36歳3児の父。最近はじめた趣味はアクアリウム
まずは細井さん、ブランド10周年おめでとうございます。
ありがとうございます。なんだかあっという間の10年だった気がします。
モードオプティークも50号おめでとうございます。
ありがとうございます。
今回記念号なので、笑福亭鶴瓶さんに表紙を飾っていただきました。
そして裏表紙はトニーセイムさん!ありがとうございます。
お互いに記念の号になりましたね。
早速本題に入っていきましょうか。
はい。トニーセイムの登場は衝撃でした。「共感」というテーマも従来の眼鏡ブランドにはない視点でしたよね。
デザイン的なエゴだけではなく、眼鏡店、調整する人、掛ける人・・・皆様の共感を得ながら共に成長していく、そんな視点から始まったブランドでした。
カラフルなフレームもトニーセイムらしさの一つだと思いますが。
はい。ブランドとしては設立当初から色を推していました。でも、本格的にトニーセイムの色の魅力が受け入れられるようになったのは、2013年のアセテートライト発売以降なんですよ。
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あぁそうか。正面視1mmだから個性的な色でも掛けやすかったのかな。
ええ。あと当時の背景としては、眼鏡ブームが一旦落ち着いて3プライスショップが絶頂期を迎えたころでした。
そうでしたよね。どんどん手軽にも買えるようになっていって。
はい。だからこそ独自の色彩の魅力があり、かつ強度の度数にも対応できるアセテートライトはブランドとして大きな強みだったんです。
その当時「日本製」と「中国製」を両方ポジティブに打ち出していた点も斬新でしたね。
グローバルブランドらしい考え方というか。
はい。私たち正直なブランドだなっていつも思っていましたね(笑)
本当に(笑)。でも中国製で価格を抑える・・・ということだけではなかったのがすごくて。
そうですね。10年の間に、中国でしかできないモノ作りも確立しています。彼らはいまだに機材にも積極的に投資するし、チャレンジ精神も強いですから。
ブランドとしてちょっと印象が変化したのが2017年ごろでしたよね。
そのとき私が日本法人の代表になりました。当初のテーマであった「共感」からさらに一歩進んで、「connect つながる」という言葉を新たに据えて。
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一新したブランドロゴの最後には「:コロン」がつきましたよね。
そうなんです。この記号には右と左を「つなげる」という意味があって。
それが2019年から始まった他ブランドとのコラボ企画(DIP)に繋がっていったのかしら。
それも一つです。一方で今の私たちだからやれることを考えたとき、自分たちの技術で業界全体に貢献するというアイデアも浮かびました。
技術というと、それは例えばアセテートライトとか??
そうです。技術を抱え込むのではなく、それを広くシェアすることで、業界全体がワクワクするようなことを起こしていきたいと、強く思うようになりました。
2020年のDIP企画として実現した「テオ」とのコラボは、そういった意味でも可能性を感じる企画でしたね
私達も実現できたことを本当にうれしく思っていますが、このプロジェクトにはもう一ついいところがあって。
デザインはかなりテオに寄ってますけど、掛け心地はトニーセイムならではですよね。
そうなんです。このフレームってテオを掛けてみたいけれど掛け心地が気になるとか、その逆の人にも届けることが出来るんです。
本当にそうだと思います。
あと眼鏡ってやっぱり「このお店のこの人から買う」って決めているユーザーも多いじゃないですか。
はい。だからそのお店が取り扱えないブランドは、そのお店のお客さんも触れることができないという・・・
そうなんです。だから我々は今回、テオと協業できたことは、そういう意味でもとても有意義で、より多くの人々にこれまでにないメガネ選びの機会を提供できると思っています。
メガネと一緒に、その思いまで、お店の方、ユーザーの方に伝わると良いですよね。
part2に続く・・・