「良い眼鏡」中村編
2020.05.10
私たちは日々「いい眼鏡」って何だろうと自問自答しながらメガネを創っています。今回はその要素の一つである「機能性パーツ」についてお届けいたします。
tonysame:japan 中村 聖
トニーセイムジャパンショップマネージャー兼営業担当
眼鏡の加工やフィッティングなどの技術には定評のある、tonysameの頼れる職人肌。趣味は山登り、料理など多数。調理器具にはこだわりがあり、鉄のフライパンは4つ所有。
tonysame:japan 細井
トニーセイムジャパン代表取締役社長。
視力は良いものの、地元の眼鏡店で出会ったメガネに惚れて購入したことがきっかけでこの世界へ。高校卒業後はアジアを中心とした世界を旅する。35歳3児の父。最近の趣味はFPVドローン
細井さん。
はい。なんでしょう。
良い眼鏡って何でしょうか?
急にどうしたんですか?笑
いや、以前直営店のお客様とお話しているときに、「どこでトニーセイムを知ったか」という話になったんです。
それはいつも気になりますよね。
そうしたら、ネットで「良い眼鏡 ブランド」で検索したら、いくつかのブランドと共に出てきたから…っていうお話があったんですよ
なるほど。ありがたい限りですね。
日々「良い眼鏡って何だろう」と考えながらやってますけど、実はトニーセイムの人間のなかでも色々考え方があるじゃないですか。
そうですね。
そういった要素を整理しながらこちらをご覧になっているお客様にも共感いただきたいなと思って。
良いですね。今回は中村さんの大切に考えている要素についてお伝えしましょう。
いきなりディテールになっちゃうんですけど、やっぱりトニーセイムの眼鏡には欠かせない「機能性パーツについて」で行きたいと思います。
中村さんらしいですね笑
ずらっと並びました。
はい。こちらすべてトニーセイムの中で「リガメント」と呼んでいる機能性パーツです。シリーズによって長さも形も全然違います。生産の効率だけでいけば、なるべく同じものを使い回すほうが効率は良いのですが。
ligament リガメント
トニーセイムのスタート当初から使用している機能性パーツ。
βチタンの板状のパーツを用いて柔軟性を出しており、シンプルな作りゆえに長さや厚みなど微調整の幅が広く、様々なフレームデザインに対応することができる。
自分は小さいころから眼鏡をかけてきたので、かけていてストレスが無く、使いやすい眼鏡であるということが「良い眼鏡」の一番の条件になってきます。
なるほど。
そしてその後メガネ業界で働くことになり、実際にお客様に眼鏡を販売するにおいては、「型崩れしずらい(変形しずらい) 」ということが大切になってきました。
わかります。
トニーセイムではその2点を機能性パーツで実現しようと考えて、、色々と工夫しています。
その一つの代表的なものがリガメントですよね。
そうですね。いくつかピックアップして見てみますか。
この辺りが一番ベーシックなリガメントですかね。
そうですね。フロントのデザインに合わせて、調整を施しています。トニーセイムとしては「機能性パーツを極力目立たないように」ということも意識しているのがわかるデザインになっていると思います。
そうですね。こちらをベースにすると、アセテートライトはどうなってますか?
アセテートライトはフロントが非常に繊細な造りですので、なるべく負荷をかけないために、リガメントの中では柔らかい設定にする必要があります。
加えて、テンプル側面が細いデザインです。
はい。制約の多い中での設定が必要です。
デザイン上、上下幅が細くなるリガメントに、必要な柔軟性を持たせるために、まず「長さ」を長くしました。
長くすることによって「しなり」ますね。
はい。その上で強度を確保するために少し「厚く」しています。
上下幅、長さ、(上から見たとき)の幅と全方位から調整をしています。
こちらもリガメントです。
トリプルリガメント、ダブルリガメントですね。
リガメントを複数組み込むことによって、様々なかけ味を実現しています。
上のトリプルリガメントは、リガメントを3か所組み込み、重厚なフロントデザインに負けないしっかりとしたかけ味を。
下のダブルは2箇所。より軽く、ねじれにも強い機能性をプラスしています。
デザインや、お客様に感じていただきたい装用感によってバランスを調整しています。
例えばとにかく「軽さ」を重視するお客様へおすすめはありますか?
それでしたらこちらのS-lightシリーズのハイブリッドリガメントがよろしいかと。
ハイブリッドリガメント…なんだか凄そうですね。
はい。初めて言いました笑
丁番を境に
フロント側はNewwaveパーツ。
テンプル側にリガメントを組み込んだダブルアクションになっています。
Newwave ニューウェーブ
トニーセイム機能性パーツの名称。βチタンパーツにスリットを入れることによって素材の特性を引き出し、柔軟性を持たせている。
S-light…本当に軽いですもんね。
S-lightという名前も、「Super,Surprise」Lightという意味からつけました。
店頭でも「これは軽い」と驚いていただくことも多いです。
色々と見てきましたが、人それぞれ「良い眼鏡」に求めるものは違いますけど、基本的性能(かけ心地が良い、変形しない)が高いのは誰にとってもプラス。
そこに、お客様の求めている「デザイン」や「装用感」に対するリクエストにまで応えれるようにリガメントを始めとする様々な機能性パーツを開発しています。
…なんかいい感じに最後まとめましたね。
笑…なんかすいません笑